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ほそ道小径、ときどきおもて

華やかな表通りよりも、静かな裏通りをひっそりと寄り道しながら歩きたい。そんな私の、興味の赴くままのとりとめのないブログ。

自分の生きる場所

最近よんだ本。 「さいごの毛布」(近藤史恵

 

さいごの毛布 (角川文庫)

さいごの毛布 (角川文庫)

 

 

年老いた犬を飼い主の代わりに看取る「老犬ホーム」に勤めることになった主人公。ホームでの出来事を通じ、苦手だった人付き合いや疎遠な家族との関係を改めて考え直し始める。世知辛い世の中に光を灯す、心温まる成長物語。 Amazonより)

 

私は犬が好きだ。子供の頃からいつも共に居て、ペットというよりは大切なパートナーだった。今は住宅事情から飼ってはいないけれど、今でも犬に対しては特別な思いがある。

 

ま、そんな訳で、「老犬ホーム」という始めて聞くワードに興味を持って読み始めたこの本。犬を介しての人間模様にも色々と思う事はあったけれど、最も興味深かったのは随所に見受けられる主人公の内向型気質の特徴の描写だ。

ひとつひとつピックアップしていきたいくらいだけれども、あまりネタバレになってもいけないのでやめておくが、気質の描写だけでなく、内向型の人が社会の中で(生きづらさを軽減して)うまくやっていくためのヒントにもなるようなフレーズも所々に散りばめられていて、偉そうな言い方になるけれども、そこの所がとても上手く書けていると思う。

 

ちなみに、内向型外向型という気質は、元気があるとかおとなしいとか、社交的だとかそうでないとか、必ずしもそういうことと一致はしない。(確かに、傾向としてはあるけれど。)上手く他人とコミュニケーションがとれて、人をまとめて動かしていく力のある人が、実は内向型気質であるというケースは意外とよく見受けられる。

そもそも、内向型外向型なんてものは、きっちりと線引きできるようなものではなくて、先天的な気質に後天的な要素(育った環境など)も加わって、人の数だけそれぞれのパターンがあるものなのだと思う。そんな話もまたおいおい書いてみたいと思うのだが。

 

ひとまず、この本の主人公は自分のそんな個性をきちんとみつめて受け入れ、いろんなことがあったけれども、その個性を生かせる環境(個性に潰されない環境)を見つけられたようだ。よかった。  

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